ASP.NET Official Siteに、Windows Azureを利用したクラウドアプリケーションのかなり実践的なチュートリアルが公開されていました。
『Fix It!』という架空の(?)バグトラッカーのサービスアプリケーションを作成してWindows Azureで運用する、というお題にそってすすめるチュートリアルです*1。が、このチュートリアル、そのへんのチュートリアルとはちょっと違います。
『クラウド開発パターン(Cloud development patterns)』として、13のパターン(トピック)にまとめて一気通貫で解説するチュートリアルになっています。
アジェンダからかいつまんで、トピックを翻訳すると、多分こんな感じです(※翻訳は適当なので原文見てください)。
- 全てを自動化する(スクリプトベースでAzureを操作するとか)
- ソース管理(DevOpsを実践する流れについて/センシティブなデータをどう管理するか/VSでGit)
- 継続的インテグレーションとデプロイ
- Webアプリ開発のベストプラクティス
- シングルサインオン(Windows Azure Active Directoryを利用)
- データストレージの選択肢
- データのパーティショニング戦略
- Blobストレージ
- 障害を生き延びるための設計(障害の種類やSLAの話)
- 監視と遠隔測定(New Relic/ログの仕込み方の話)
- 一過性の障害のハンドリング(例外時の再試行などの戦略と実装)
- 分散キャッシュ
- キュー中心パターン(キューを効果的につかって高可用性を実現するとかそういう話)
これだけ見ても、単純に「サンプルアプリケーションをAzureにデプロイしましたよ、はい終わり!」というチュートリアルとは、一線を画していますね。
上記Webサイトでのチュートリアルの他、PDF形式のe-bookやサンプルソースも提供されています。スクリーンショットや図などもふんだんに使われていますので、英語が苦手な方でも、Google翻訳やBing Translatorを使えば十分行けると思います。
「試そうにもクラウドサービスだからお金がかかるのでは…?」と心配されるかもしれませんが、Windows Azureは最初の一か月は17,000円分を無償で利用できます。このチュートリアルを通すくらいならきっと十分だと思います。 また開発環境も無償版のVisual Studio 2013 Express for Webが利用できます。
Azureに興味があるや、「とりあえずWebアプリを作ってデプロイしては見たけど、その次は…」というか方も、ぜひ、試してみてください。
*1:以前どこかのイベントか何かでScott Guthrieがデモっているのを見たことがあった気がします