きよくらの備忘録

「三日坊主と呼ばせない!日記」改め。主にソフトウェア開発関連の話題。

Windows 10でWizardry Collectionをやってみる:(6) BCFをDOSBox+Xで動かしてみる

次はDOSエミュレータのDOSBOX+Xで動かしてみるパターンでやってみます。 これも結論からいうと成功しました(難点がないわけではないのですが)。

DOSBox+Xとは

DOSBox+XはPC/AT機互換機DOS環境エミュレータのDOSBoxのメジャーなフォークの一つです(という認識)。 dosbox-x.com

DOSBox自体エミュレーションの精度も高く高機能で安定しており、例えば欧米でDOS用ゲームをWindows用に再販するときはDOSBOXで実行するようにパッケージングされたものが珍しくありません*1

DOSBox+XはDOSBoxにない機能を多く持っているのですが、その一つにPC-9801用のDOSエミュレーション機能があります。今回はそれを利用してBCFの実行を試みてみました。

準備物

今回利用させていただいたのものは以下です:

 

Wizardry CollectionのBCFをDOSBox+Xで実行するときのポイント

基本的にはあまり特殊なことはしていません(多分)。

ポイントだけかいつまむと以下のような感じでしょうか。

  • DOSBox+XはとりあえずSDL1版を利用した
  • 設定ファイルで動作モードをPC98モードに設定
    • [dosbox]セクションでmachine = pc98に設定
  • Wizardry Collectionの BCF_CDS.hdi からBANEフォルダとCDS16フォルダを任意のフォルダにコピーしてCドライブなどとしてマウント
  • Wizardry CollectionのBCF用CONFIG.SYSを参考に、ADDDEVを利用して必要なドライバを組み込む
    • ADDDEV.EXEをCドライブとしてマウントするフォルダにコピーしておく
    • DOSBox+Xの設定ファイルの[autoexec]セクションで読み込む

今回、dosbox-x.conf はdosbox-x.reference.conf をコピーしたうえで以下の部分だけ書き換えたものを使いました。

[dosbox]
# 動作モード設定。必須。この設定でDOSBox+XがPC-9801モードで動くようになる。
machine  = pc98

[autoexec]
# C_DRIVEフォルダをCドライブとしてマウント(C_DRIVEフォルダ配下に必要なファイル一式をコピーしておく)
MOUNT C C_DRIVE
C:

# 本来CONFIG.SYSで組み込んでいた、BCF実行に必要なドライバ類の組み込み
ADDDEV +C:\BANE\kjp.bin
ADDDEV +C:\cds16\vmouse.sys
ADDDEV +C:\BANE\muse2.drv -d450 -k0 #組み込んでも実はまともに音が鳴らないのでどっちでも良いといえばよい

# BCFの実行
CD BANE
PLAYBANE

 

実行イメージ

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雑感

  • 設定さえできてしまうと高機能だし実行も楽、設定は少し煩雑だがむつかしくはない
  • 音は正直良くないがBCFはあまりBGMもないので大きな問題ではないかも
    • 設定をいじることで改善の余地はあるかもしれないが不明
  • ステートセーブ&ロード機能もあるのでマニュアルプロテクトがめんどくさい人にとっては結構なアドバンテージかも

取り合えず、これにて(一旦)Wizardry Collectionについてのメモは終了の予定です。

*1:SteamやGOG.comで販売されているWiz BCF/CDSもバンドルされたDOSBoxで実行する